切れ長の瞳の秘密は?「月は怒らない」
読了。ひとりの不思議な魅力を持った女性と、彼女を巡る四人の男性のお話。
題名に込められた意味は最後に明らかになるけれど、ひやっとした恐ろしく切れ長な目を持つ主人公が話し手になることはなく、代わる代わる周りの男性の視点から、ストーリーが進んでいくので、飽きずに一気に読めました。
不思議な彼女の魅力を、いろいろな人の手で解き明かしていくような感覚。見る、見られる、という絡まり合う関係性が強く印象に残りました。
色々な小さな事件は起きるものの、最後のすがすがしさで読了感はなんだか胸があたたかくなるのは、前に呼んだお話と同様でした。