「くるみ割り人形」と見た夢
11月の連休、新国立劇場バレエ団の、「くるみ割り人形」を観に。ホールは大きすぎずにどの席からも見やすく、駅近で便利なのもいいところ。くるみ割りといえば、クリスマスの日のストーリーですが、新国立では最近シンデレラをクリスマス時期にやるので、くるみ割りはちょっと先取り。
小野絢子さんという、可憐で優雅なバレリーナの方の公演を選ぶことが多かったけれど、今回はせっかく海外のゲストダンサーが王子様役をやるとのことで、もう一人のプリンシパル、米沢唯さんの回に。小野さんとはまた少し雰囲気のちがう、華やかで好奇心にあふれるクララでした。
幕が空いてすぐ、舞台装置から新しい!小さなクララの寝室が片隅にのぞく、ロミオとジュリエットのような演出。今回はロイヤルバレエ団にいた、ウエイン・イーグリングさんというかたの新振付、新演出ということで、全体的にモダンな振り。ストーリーもあいまいなところがなく、クララの夢をわかりやすく、わりと説明的に描いていました。子供のクララも大人が演じることがあったり、あまり踊りは踊らないクララバージョンもあるけれど、クララ含め子供たちがたくさん出てきて(人間役だけでなく、ネズミや兵隊も!)、しっかり踊ってくれたのも面白かったです。
現代版のストーリーはあまり好きではないけど、伝統を守りつつの新たな挑戦は、わくわくさせてくれていいなー、古典作品も観る楽しみが増えるなーと実感。一つだけ残念ポイント。いわゆる夢落ち、なお話しですが、夢から覚めたクララは今回の演出よりも、くるみ割り人形を抱いてうっとり、なほうが個人的には余韻が残って好きかな。